奥田 早央里

奥田 早央里

株式会社アイスタイル ヒューマンリソース本部
ピープルリレーション部 部長  

Special
Interview

インタビュー

「データ」に着目し、コスメ・美容の総合サイト@cosmeを作り上げたアイスタイル。
メディア・EC・実店舗という3つのビジネスを融合したユニークなビジネスモデルを構築し、多くの生活者にとってなくてはならない存在となっています。

今回は、福利厚生サービス導入から心のケアまでをトータルに支援する「carefull(ケアフル)」を導入したきっかけや障壁、これからの施策についてお伺いしました。

Q1

アイスタイルでは、
株式会社nanoniが提供する、福利厚生サービス導入から心のケアまでをトータルに支援する
「carefull(ケアフル)」を 企業として初めて導入されましたが、
導入しようと思ったきっかけを教えてください。

アイスタイルでは、
株式会社nanoniが提供する、福利厚生サービス導入から心のケアまでをトータルに支援する「carefull(ケアフル)」を
企業として初めて導入されましたが、導入しようと思ったきっかけを教えてください。

社内で2017~2018年に新しい働き方を考えていこうというタイミングがあったのですが、
その前にどのような新しい仕組みや制度を導入するのがよいかを整理する検討会を性別や既婚未婚、年齢層も全く異なるメンバーで行いました。

そこでさまざまな意見が出たため、施策は数段階に分けて行おうということになりました。
まず2018年の第1弾では在宅勤務と副業の許可等です。妊活や不妊治療に対する支援の話もこの段階で出ていたのですが、第2弾以降で行うことになりました。ただ、行うことは決まってはいたものの、具体的にどのように進めていくのかは明確ではありませんでした。

そんな中、卵子凍結などリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)に関わるサービスを提供しているさまざまな企業からお声がけがあり、
社員がリプロダクティブヘルスの問題によって、キャリアを諦めなくてもいい仕組みを導入してきたいと社内で話すようになりました。

導入するサービスを探しているときに出会ったのが株式会社nanoniの「carefull」でした。
実は、妊活関連の施策を導入する参考として、社員にヒアリングを行った際、
「サービスを安く受けられることよりまずサービスを使える社内の風土や環境を整えてほしい」という意見が多かったんです。

割引など、特典のサービスをメインで導入することも考えてはいましたが、
サービスを気持ちよく利用できる風土や環境作りを整えていくことも大切だと思っていたので、単発の施策ではなく会社全体のパッケージとして社員への啓発活動や浸透をしていけることが「carefull」を選んだポイントでしたね。

Q2

「carefull」では、具体的にどのようなことを行っているのでしょうか?

すでに実施している施策としては、月経・妊活・更年期などに関する健康知識の社内研修です。

マネジメント向けや当事者向けなどの視点からシリーズ化して実施しています。
まずは管理職から理解してもらいたかったので、「マネジメント必見!キャリア&ライフプランニングに欠かせない健康知識」というテーマでセミナーを開催しました。

これから導入予定のものとしては、
➀匿名相談掲示板。
実名では相談しにくい自分の健康にまつわる課題等を社内に限定して匿名で共有・相談することができます。
②福利厚生サービス割。
さまざまなヘルスケアサービスを、「carefull」導入企業社員特典として割引価格で利用できるよう調整しています。
③社員の意識調査。
社員の課題感やニーズに合わせ各施策のコンテンツをカスタマイズして、効果検証まで行います。

これらの施策はあまり前例もないので、社員へヒアリングをした上で導入しています。
また匿名相談掲示板については、
「身近な人に相談できない話はネットで検索するが、どの情報を信用していいかわからない。悩みを解決できる場がなく、もしあったとしても実名で相談する勇気はない」
という意見から、そういうコミュニティがあったら活用できると考えました。

もともと、健康相談窓口はあったのですが女性特有のお悩みが来ることがなかったので、より相談しやすい環境になればと思っています。

Q3

女性特有の症状や疾患についての施策を導入する際の障壁や課題があれば教えてください。

制度があっても使いやすい風土や環境がなかったことです。
妊活休暇や生理休暇、サービスの割引などの制度があってもその土台となる風土や環境を整えなければ根本の解決にはならないと考えていました。

アイスタイルでは女性従業員の割合が多いため、女性特有の制度が使いやすいと思われるかもしれませんが、必ずそうとは言い切れないケースもあります。
男性が上司の場合は恥ずかしさから言いにくいことが多いですが、女性の上司の場合も同性であるがゆえに辛さの程度の差が理解されにくいこともあるようです。そういった風土や環境は変えていきたいと思っています。

また、今行っている施策は本社スタッフ向けのものになってしまっているので、販売職スタッフ向けの施策については別途アンケートを取って実施していきたいと思っています。
販売職スタッフは立ち仕事で頻繁にお手洗いに行く時間がないなど、女性特有の症状を我慢する時間が長く、ピルで調整しているという声も聞きます。座り仕事と立ち仕事のスタッフとでは課題が別にあるので、課題別に対応していきたいです。

Q4

健診補助制度について教えてください。

グループ会社が多いので、加入している健康保険組合が様々で一概に言えないのですが、
35歳以上の女性は子宮がん検診と乳がん検診が健診コースについています。

35歳未満には定期健診以外、これといった補助が出せていなかったので、「carefull」内で紹介する割引などの施策を活用してもらい、カバーできればと思っています。 現在はYOU健診の割引などを期間限定で紹介していますが、今後はピルのオンライン診療やAMH検査キットの割引、婦人科のオンライン検診など8種類ラインナップを用意し、利用できるように準備しています。

Q5

女性の健康経営についてこれから取り組みたいことはありますか?

女性の健康経営についてこれから取り組みたいことはありますか?

「carefull」の施策でいうと現在は、社員向けセミナーのみ展開できているので、今後は匿名相談掲示板や、様々なサービスを特別価格で受けられる仕組みをオープンにしていきます。セミナーに関しても4月まではプログラムが決まりつつあるので、月1のペースで継続的に続けていきたいです。
性別・環境・立場問わず、自分事化して理解を深めていただくことが大事だと考えていますので、全員に参加してもらえるようなテーマや内容にしていきたいと思っています。

もともと会社としての方針から、「carefull」は女性に特化した施策ではなく、性別に関係なく使える施策として打ち出しています。
男女関係なく見てほしいという理由から、「女性の…」「女性が…」ではなく、「みんな聞ける…」といった文言にしています。

男女で身体の仕組みが異なりますので、
女性に特化した健康課題に対するサポートは必要ですし、継続していきますが、
妊活や更年期は女性だけのものではないし、自分自身のことではなくても部下のマネジメントとして必要になる場面はあると思います。興味や理解をもってもらえるようなプログラムを考えていきたいです。

「carefull」以外の施策でいうと、
生理休暇の名称変更やお子さんがいらっしゃる方が働きやすい環境作りなど、
常に社員の意見を反映し、寄り添ったサポートを継続していければと考えています。

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