第25回プラスウェルネスセミナー
健康診断における婦人科検診
~現代女性に必要な「経腟超音波検査」を知る~

第25回プラスウェルネスセミナー
健康診断における婦人科検診
~現代女性に必要な「経腟超音波検査」を知る~

企業の人事・健康管理担当者のみなさま

Seminar
Report

セミナーレポート

働く世代の女性にとって、人生やキャリアを守るためにも「女性のための健康診断」が必要とされています。特に「経腟超音波検査」は、子宮や卵巣の小さな異常から発見することのできる検査で全ての年代の成人女性に受けてほしい検査です。
今回はウェルネス・コミュニケーションズ様とともに、企業の健診項目にぜひ追加してほしい、という共通の想いから、企業や健康保険組合の健康管理担当者向けにセミナーを開催しました。

ファムメディコ 佐々木より、働く女性の健康問題について、YOU健診賛同者の婦人科医 上坊敏子医師には経腟超音波検査について詳しく解説していただきました。

働く女性の健康問題

働く女性の健康問題

近年、経営の多様化や優秀な人材の確保などのため、女性の活躍推進に力を入れる企業が増えていますが、それと同時に、女性特有の症状や疾患といった健康課題が注目されています。
女性特有の症状による経済損失が問題視されていますが、原因を調べるための検査を受診できる環境が整っていないのが現状です。特に婦人科疾患を調べる経腟超音波検査は、認知度が低く、補助制度も整っていない状況にあります。
しかし、女性たちからは、「知らなかったが、是非受けたい」「受けたら疾患が見つかった、みんなにも受けてほしい」といった声が多く寄せられており、毎回セミナー後のアンケートでは9割の女性がこの検査を受けたいと回答しています。
企業や健保組合の皆様とともに、この「経腟超音波検査」の理解促進と受診機会の創出を図っていきたいと考えています。

子宮・卵巣の代表的な病気

子宮・卵巣の代表的な病気

20代から40代の働き盛り、妊娠・出産を迎える時期の女性を襲う代表的な子宮卵巣の病気には、子宮頸がん・子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症・卵巣腫瘍などがあります。
それぞれの疾患やその症状について説明しました。
子宮頸がん ~ 発がんの過程がわかっており、検診が確立されているがんで、20代後半から増加し、30代後半がピークになる若い世代のがんです。早期がんの大部分は無症状なので、検診は非常に大切な早期発見の機会です。
子宮筋腫 ~ 35歳以上の女性の3人に1人にできる良性の腫瘍です。過多月経による貧血が一番重大な症状で、月経痛や不正出血、不妊や習慣流産の原因にもなります。
子宮内膜症 ~ 子宮内膜に似た組織が子宮内腔以外で増殖する病気です。月経時の痛みと不妊が代表的な症状で、特に卵巣にできるチョコレート嚢胞はがんに発展する場合もあります。
子宮腺筋症 ~ 子宮内膜に似た組織が子宮の筋肉組織の中にできる病気で、月経痛や過多月経が代表的な症状で、不妊や習慣流産の原因になることもあります。
卵巣腫瘍 ~ 卵巣に発生した腫瘍で良性から悪性までさまざまな種類があり、幅広い世代に発生する病気です。特に卵巣がんは、近年増加しており、他の婦人科の疾患と違ってなかなか治しにくいのが問題となっています。

経腟超音波検査でわかる子宮・卵巣の病気

経腟超音波検査でわかる子宮・卵巣の病気

経腟超音波検査は、腟の中にプローブと呼ばれる機械をいれて子宮や卵巣の状態を確認する検査です。放射線被ばくもなく安全な検査で、モニターを使って受診者自身にも直接説明することができ、非常に簡便、かつ有用な検査です。
経腟超音波検査をつかえば、内診では見つけられない小さな変化も見つけることができます。経腟超音波検査の結果は、疾患の状態だけでなく、受診者の年齢や閉経か否か、症状の有無によって、経過観察か要精密検査かを判断します。

内診と経腟超音波検査の役割

婦人科診察の基本である内診は、ある程度大きな疾患は見つけることができますが、小さな病変は見落としてしまいます。また、緊張してお腹に力が入ってしまった状態では、医師が触ってもわからないため「リラックスして受診する」という受診者の協力が必要です。経腟超音波検査はこの内診の限界を補完することができる検査です。
内診ではわからない子宮・卵巣の小さな病変やその位置を見つけることができ、疾患によっては性状の診断も可能です。そのため、検診という短い時間の検査での見落としを減らすことができます。一方、子宮や卵巣の可動性や、圧痛の有無や部位、進行した子宮頸がんは、内診でないと判断ができません。
それぞれにメリット・デメリットのある、内診と経腟超音波検査の両方を実施することが、働く世代の女性に多い子宮・卵巣の疾患の早期発見につながります。

検診における経腟超音波検査

一般の外来診療では内診と経腟超音波検査を同時に行っています。 一方、自治体の検診には、検査項目として入っておらず、子宮頸部細胞診と内診のみを行います。また、企業健診でも、経腟超音波検査を採用していない場合が多いです。
精度の高い健診のためには、経腟超音波検査が不可欠であると考えています。
女性達の健康管理のためにも、ぜひ企業健診への追加を検討していただきたいと思います。

女性活躍推進のために、女性の人生・キャリアを守るためにできること

女性活躍推進のために、女性の人生・キャリアを守るためにできること

婦人科疾患は働く世代の女性にとってとても身近です。多くの女性にとってまだ身近ではない「経腟超音波検査」の受診の機会と理解促進の機会を創出することは、女性活躍推進の後押しとなると考えています。
これらの機会の創出は、女性の人生やキャリアを守るために企業にできることの一つです。
女性自身にもその大切さを知っていただくために、YOU健診啓発活動の1つとして、企業で働く女性向けに社内セミナー実施しております。 興味のある方は気軽にお問合せくださいませ。

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