
株式会社MERY
代表取締役社長
Interview
Z世代をターゲットにした事業を展開する株式会社MERY。
社員のほとんどが女性という中で、代表が女性の健康に対してどのような想いをお持ちか、聞かせていただきました。
まずは、株式会社MERY様の事業内容と理念を教えてください。
フィロソフィーという形で、「大人になっていく日々に、毎日がもっと愛おしくなるアイデアと勇気を。」というものを掲げております。 ユーザーはZ世代なのですが、20代前半が多く、自分たち自身が大人になりきっているのかという不安を日々もっている人も多いのではないかと思います。そういった人たちに対して寄り添い、毎日がもっとわくわくするような、新しいことや興味深いことに出会えるようにして、元気になってもらうことを応援するためのアイデアと勇気をご提供できればと思っています。 ユーザーだけではなく、その方たちに商品やサービスを届ける企業様にとっても信頼できる存在でありたいと思っています。 事業としては、Z世代向けにSNSでショート動画を中心にファッションやメイク、おでかけなどのライフスタイル情報を発信し、メディア事業を行っています。 そこにファンとして集まってくださったユーザーの方々をコミュニティーメンバーとして組織化し、インフルエンサー事業やイベント事業を行っているほか、メディアやSNS運用の知見をもとにSNS運用支援やブランドコミュニケーションを通して、幅広いZ世代マーケティング事業を展開しています。
ターゲットの方が若いということもありますが、従業員の方もお若い方が多いのでしょうか。
はい、社員は76%が女性なのですが、20代から30代前半が多いですね。アルバイトは現在11名おりますが、全員女性でほぼ20代です。
正社員の方だけではなく、様々な形態の方がいらっしゃいますが、女性の社員の方や、業務委託の方の健康促進に向けた会社としての支援はされておりますか?
健康診断はもちろん規定で受けることになっていますが、婦人科、乳がん検診(乳房超音波)は会社負担で受診ができるようになっています。 アルバイトも、社会保険に入っていれば社員と同様に健康診断、婦人科、乳がん検診は受診できるようにしています。 女性が多いので、女性社員からの要望もあり会社としてもそういった制度があった方がいいと考え、2019年にそのようにいたしました。 2024年度からは、女性専用の健診施設である「クレアージュ東京レディースドッククリニック」も提携施設の1つに加えさせていただきました。 健康診断を受診する方は、ほとんど全員婦人科、乳がん検診を受診しています。 それ以外の支援施策としては、勤怠に関わる部分になりますが現在週1出社、週4リモートという勤務体制なのですが、出社日当日であってもリモート勤務への変更もOKとしています。そのあたりは体調次第で柔軟に対応できるようにしています。 他にも、勤務時間内での通院も可としています。 役職者は女性比率が高いので、男性偏重という考えもなく、上長に対して体調の相談もしやすいかと思います。くわえて、男性社員にしても女性の健康には充分理解があると思います。
女性の方の健康促進に向けた施策や取り組みについて、どのように導入を決めていますか?
いろいろなパターンがあるのですが、もちろん現場からの要望もありますし、取締役、リーダー陣が状況をみて、こういう制度があった方がいいのではないかと提言することもあります。 弊社は小学館の100%子会社なのですが、親会社からのサジェスチョンもあります。 例えば、関係会社内の他の会社ではこんな制度があるから検討してはどうかという話や、コンプライアンスについてやセクハラの対策、外部相談窓口など、そういったお話はいただくことがあります。
上記のような取り組みを導入されて、実際に社員様から反応はありましたか?
クレアージュ東京レディースドッククリニックさんは、受診した社員からはとても評判がよかったです。 施設があまりにもきれいなのと、お水やハーブティー、スイーツなどのお土産ももらえるので、社内では評判になっていました。 また行きたいという社員が多く、つい気持ちが後ろ向きになりがちな検査も前向きに捉えていた印象です。 婦人科や乳がん検診の補助については、「前の会社にはなかった」といって、喜ぶ社員もいました。 一方でまだ若いこともあって、健康診断に対するリテラシーはそこまで高くはないかもしれません。 検査項目の詳細や内容について十分に理解している社員はまだ少ないと思われますが、中には詳しい社員もいるので、「この検査は受けたほうがいいよ」と勧めたりもしていました。 男性社員のなかに、女性社員向けの健康施策導入に対して文句を言うような人はもちろんいないのですが、逆差別にならないようには気をつけたいとは思っています。 今後、男性の健康課題に対する施策についても検討していきたいと思っています。
貴社の女性社員様は、2024年度より希望者のみ女性専用健診施設「クレアージュ東京レディースドッククリニック」にて通常の健康診断に加え、子宮頸がん検診や乳がん検診を会社負担で受診していますが、そのようにした理由を教えてください。
女性が働きやすい職場にしようというのはずっと掲げていることではあるので、その延長の考えでもあります。 あとは、フラットに聞いてもクレアージュ東京レディースドッククリニックさんの施設や検査の内容がとてもよく、提携を決めさせていただきました。 健康でないと、心も健康ではなくなってしまうので、社員には常に健康でいてほしいと思っています。
女性特有の症状や疾患についての施策を会社に導入する際の障壁や課題があれば教えてください。
現状は特に障壁はないですが、あるとしたら、先ほどもお話しした男性の健康面についての施策がないということで、男性から意見が出ることは考えられます。 現在男性から特にクレームや意見があがっているわけではないですが、いずれ男性更年期に対する施策など、検討できればと思っています。
女性の健康経営についての想いや、課題感などがございましたら教えてください。
健康であってこその職場、労働だと思うので、まずは身体の健康、心の健康を第一に保ってもらい、それができて初めて職に向き合うということになるのではと思っています。 その点は社員にも伝えているので、その考えがベースにあるかと思っています。 そのような想いがあるので、先ほど申し上げた当日リモート勤務への切り替えが可能など、体調を優先した柔軟な働き方をできるような施策を導入しています。
HUGYOUプロジェクトにご賛同いただいたお気持ち、想いをぜひお聞かせください。
プロジェクトのベースが、働き続けたい想いに寄り添うだと思いますが、まずそこに賛同いたしました。 弊社は女性の管理職も増えていますし、社員もほぼ女性のため、女性に働き続けてもらいたいという想いが強くあります。 働き続けるというのは、ある程度休みやすいことも重要だと思っています。特に女性はいろいろな事情や、ライフステージの変化、体調によって休みがちになることもあると思いますが、そこで差別が生じないように、休みやすく、不要なストレスがないような職場であるべきと思っています。