
株式会社日本能率協会マネジメントセンター
人事企画室・成長支援室
interview
健康課題に「身体の健康」「心の健康」「社会的健康(エンゲージメント)」の3つの観点から取り組んでいる日本能率協会マネジメントセンター。女性特有の疾病や入院、休職が増えていることを課題とし認識し、「女性の健康」にも着手。今回は、人事部の人事企画室・成長支援室のご担当者様にお話を伺いました。
まずは、事業内容と理念を教えてください。
事業内容は、「学びのデザイン事業」「時間〈とき〉デザイン事業」 の2大ドメインの配下に3つの事業(人材育成事業・出版事業・手帳事業)を展開しており、一人ひとりの「自分らしさ」と歩む成長伴走カンパニーです。”『成長に、寄り添う。』”というパーパスのもと、を大事にしており、「だれもが成長する喜びを知り、人生を自分らしく豊かにできる社会の実現をめざしています。をつくる。」という理念の元、コーポレートメッセージとして「Enjoy Your Growth!」のコーポレートメッセージを掲げ企業活動を行っています。 健康経営優良法人に認定されも取得しており、手帳事業で販売しているブランドの中には月経管理や健康管理をするページが設けられていうものもあり人気があります。
健康経営の推進をしている部署の概要を教えてください。
健康経営の取り組みを推進するために3年ほど前に社内複業のプロジェクトを立ち上げました。メンバーは「ウェルビーイングアンバサダー」と名付けて全国の各部署から5名程度が毎年参加をしています。ウェルビーイングアンバサダーと人事部が連携して健康経営の施策を企画・運営することで、より社員が当事者意識をもって健康と向き合える環境づくりをしています。
健康経営の戦略として、今回「女性の健康課題」に着目するきっかけはありますか?
女性特有の疾病や入院、休職が増えていることが課題としてあげられます。HUGYOUプロジェクト賛同のタイミングで、「女性の健康課題」についても社内でより広めていきたいです。
「女性特有の健康課題」に対して具体的な取り組みを教えてください。
子宮頸がん健診は全年齢、乳がん検診は乳腺エコーが30歳以上・マンモグラフィは40歳以上を対象として健康保険組合の補助が出ます。女性特有の検査は自己負担がなく受診できることを積極的に案内しています。また、男女問わず、健康診断時にはオプション検査項目費用の30,000円を上限に会社負担としており、たくさんの方が活用しています。 2024年に女性の健康セミナーを初実施しました。※ファムメディコ 今期から職場のトイレに生理用品を置き、職場環境を整えています。 全社員向けとしては、「身体の健康」「心の健康」「社会的健康(エンゲージメント)」の3つの観点から各種指標をモニタリングし、継続的な取り組みを行っています。 プレゼンティーズム、アブセンティーズムなどはアンケートで集計・算出し、定期健診やストレスチェックなども受けた人数を数値化しHP上で公開しています。これらの指標から戦略マップを作成し、各種の健康経営施策につなげています。施策の例としてはウォーキングイベントや、食事記録管理イベントなどの取り組みを毎年行っており、年々参加者が増加しています。また、健康施策の一環としてスタンディング型のデスクをオフィス内に数台配置しています。
上記のような取り組みを導入されて、実際に社員様から反応はありましたか?
女性の健康セミナー実施した際は、「開催時刻には保育園のお迎えがあってみられないのでアーカイブが欲しい」などの要望もあり、アーカイブ配信をしました。現時点で当日の参加者数よりもかなり多くのアーカイブ動画再生回数となっています。こういったことから社員が求めている情報提供であることが分かりました。 また、ウォーキングイベントは毎年人気があり、当社グループ全体の半数以上の社員が参加しています。アプリで順位が表示されることで、参加者の歩くモチベーションにつながり、継続しやすいようです。また、「どれくらい歩いている?」といった会話も生まれ、社内のコミュニケーションの活性化にもつながっています。 スタンディング型のデスクもミーティングで活用されています。 今期は、睡眠アプリを活用した睡眠記録イベントを実施する予定です。睡眠時間だけでなく、寝言の録音の機能もあり睡眠について考えるきっかけづくりをしていきます
男女ともに従業員がいる中で、女性特有の症状や疾患についての施策を会社に導入する際の障壁や課題があれば教えてください。
「女性の健康」などの性別が関係するテーマについては、ハラスメントの心配もあるので取り扱いが難しいところだと感じています。自宅でパートナーや家族とは話せるけれども、会社では話題にしにくいことは課題の一つです。 また、当事者ではない人からすると、女性の健康課題にお金を投資するのは不公平を感じるという意見も出ることがあります。以前、ピルの費用を会社が負担するアプリを検討してみましたが、女性だけに投資していいのかな?優先順位として、全社員でできることはあるのかな?というところも課題の一つです。
HUGYOUプロジェクトにご賛同いただいたお気持ち、想いをぜひお聞かせください。
老若男女問わずその方その方に抱えている課題があります。お互いのことを思いやり、女性の健康課題も含めて、当たり前に健康の会話ができるような職場環境にしていきたいです。HUGYOUプロジェクトの賛同をきっかけに、女性の健康課題にもより力を入れて取り組めたらと思っています。